われらアグリ応援団 第4回「ほっとスポット」

2021.11.05

明るさが若者育てる

 

ことしから日本農業新聞の世話になり、四半世紀ぶりに役所を取材してみて、なんだかとても静かになったように感じる。

平成の初めごろは愛きょうを武器にしたような話好きなベテラン職員があちこちにいたが、絶滅寸前のようだ。今の時代、ハラスメントと誤解されるとまずいし、そもそも仕事が忙しい。お気の毒だが、これでは若い人たちが息を詰まらせないかと心配になる。

県庁で居心地がいいのは農林水産企画課長席のそばにあるテーブルだ。課長の杉田さんは昔からの顔なじみでもあり、迷惑がらずに私の妄言に付き合ってくださる。無駄話のキャッチボールができる庁内でも貴重な「ほっとスポット」である。

農村振興課長席前のテーブルも会話が弾みやすいゾーンの一つで、山森課長のキャラクターが安心感を与えるのだろう。市場戦略推進班長の伴さんや畜産振興班長の岡村さんもなかなか守備範囲が広い。こうした猛者たちが自由で軽やかな職場づくりの先頭に立ってくれれば、県庁の未来も明るいと思う。

おじゃまするなら春風が吹き抜けるような職場がいい。

10月1日の全国版に、JAあおばが開発した「越中恋風ゆずしょうがアメ」の記事を書いた。開発担当の岡崎隼弥さんはさわやかな20代だ。地元八尾を思い、漫画家の小玉ユキさん宛てに思いのこもった手紙を送り、袋のイラストを描いてもらうことになったという。「のびのびと仕事をさせてもらっています」という彼の言葉に周囲への気遣いも感じられ、しっかりした青年だなあ、と感心しながら記事を書かせていただいた。

この半年、若い人たちの仕事ぶりに感じ入ることが多かった。今の若者はちゃんとしている。「最近の中年は」と言われぬよう、明るい職場づくりに励もうではないか。

 

▲小玉ユキさんに絵を依頼したJAあおばの岡崎さん(右)。しっかりとした青年だ

 

▲明るい職場が若者を育てる。写真は JAグループ新人研修で学ぶ若者たち

 

 

○執筆者

本田光信(ほんだ・みつのぶ) 1966年生まれ、魚津市在住。平成が始まった1989年に一般紙の記者になり、社会部や文化部などで30年間執筆。退職後フリーになり、今年から日本農業新聞富山通信部ライター。かつて化石の発掘にのめりこんだ時期もあり、オウム事件の連載をしながら恐竜の足跡発見をスクープするなど記者としては変わり種。著書に「とやま恐竜時代」、共著・共同執筆多数。「文藝春秋」「新聞研究」などにも執筆歴あり。