われらアグリ応援団 第16回「女性の時代に」

2022.06.15

堂々と活動の中心へ

 

 コロナ禍で沈んだ世の中を支えるのは女性たちの明るさだ。そんな書き出しで、ことしの元日特集をつづった。

 まずはJAみな穂通信員の桑守さんに協力してもらい、農業の最前線で活躍する「おいしい野菜部」の女性たちを紹介した。そしてもう一つ、県内のJA女性部が、コロナ禍に苦しむ農業や地域を支えようと独自企画を展開してきたことも記事にまとめた。

 締めくくりはJA富山県女性組織協議会の谷井悦子会長(肩書は新聞掲載時)の言葉である。

 「女性が声を上げていかなければ駄目。活動の中心に入っていかないと」。取材で語ってくださった谷井さんの多くの言葉から、そのひと言を選んだ。それは後輩女性たちへのエールであり、同時に、ご自身を鼓舞する言葉でもあるのだろうと感じたからだ。

 2カ月後、はからずも谷井さんはJAなのはなの代表理事組合長に就くことになり、5月末の総代会と組織役員会であらためて信任を得たのだった。

 いずれも全国版に書かせていただいた。

 女性の組合長が富山県初で、全国でも過去に数例しかないから書いたのではない。心意気に打たれた。この典型的な男社会でトップに就く覚悟は、並々ならぬものがあっただろう。彼女はいつもおおらかだし、何があっても引くことのない強さがあるように思う。

 横田美香副知事もそのようなお一人かもしれない。横田さんと谷井さんをはじめ、県やJAで活躍する女性たちが意見を交わす会を先日取材した。細かくは書かないが、なごやかで、とても痛快なひと時であった。

 昔、ピンクレディーが「サウスポー」で歌っていたことを今頃になって思い出した。仕事が丁寧なだけでなく、引かない、逃げない。そんな女性たちが肩ひじ張らず真の実力を発揮できる日はまだまだ遠いが、周囲の雑音など気にせず、わが道を歩んでほしい。

 

  • ▲なごやかに横田副知事と意見交換したJA富山県女性組織協議会

  • ▲横田副知事と記念撮影する女性たち
  • ▲JAなのはなの総代会であいさつする谷井組合長

〇執筆者

本田光信(ほんだ・みつのぶ) 1966年生まれ。平成の幕開けとともに一般紙記者になり、報道・編集の現場で仕事をしてきた。デスクなどを務めて退職し、フリーとして活動。2021年から日本農業新聞富山通信部ライター。著書や共同執筆による出版多数。「文藝春秋」、日本新聞協会「新聞研究」などに執筆歴あり。