われらアグリ応援団 第17回「自由自在」

2022.07.19

力量磨くリーダーたち

 

 記事には決まった書き方があるようで、実はない。どこにポイントを置くかで印象は180度変わるし、ルールを外れるぎりぎりのところを攻めていくのが、これまた楽しい。

 先日、JA全農とやまが「父の日」に企画したフラワーアレンジメントのワークショップを取材した。

 富山の魅力あふれる花々を広くアピールするキャンペーンの第2弾で、県産のヒマワリなどを使ったアレンジメントを親子でつくる企画である。

さあ、どう書こうか。

 会場は富山県農協会館の8階。

 イベントが始まると、いきなり想定外のことが目の前で起きた。

 全農とやまの西井秀将本部長が自らマイクを握り、プロのアナウンサーと一緒に進行役を務めて会場を盛り上げている。

 この司会ぶりが板についているのだ。参加した親子にマイクを向け、軽快なインタビューで楽しませる場面もある。これを書かずして見逃したら、記者の名折れであろう。新聞には失礼にならない筆加減で、ライブ感覚あふれる芸達者ぶりを書かせていただいた。

 四半世紀以上この仕事をしてきて、さまざまなジャンルのリーダーたちとお会いした。彼らは隠している爪を見せる瞬間が時折あって、人知れず積み重ねてきたであろう努力の一端を垣間見ることができる。

 以前、西井さんが地元南砺市で行った講演を取材したこともある。食料自給率の低い国内農業を憂い、未来を思いながら歯に衣着せず持説を展開していた姿が印象深い。

 ワークショップの新聞記事の最後も、西井さんの言葉で締めさせていただいた。

「富山県内に魅力的な花を作っている生産者がいることを多くの方に知ってもらえたらうれしい」。それと同時に「輸入品が高騰している今こそ、地元で作る農産物の良さを見つめ直してほしい」と思いを重ねたコメントは、全農とやまの本部長らしい言葉だった。

 

▲軽快な語りで司会を務めるJA全農とやまの西井本部長

 

▲フラワーアレンジメントに取り組む親子

 

▲県産ヒマワリなどを使ったフラワーアレンジメント

 

〇執筆者

本田光信(ほんだ・みつのぶ) 1966年生まれ。平成の幕開けとともに一般紙記者になり、報道・編集の現場で仕事をしてきた。デスクなどを務めて退職し、フリーとして活動。2021年から日本農業新聞富山通信部ライター。著書や共同執筆による出版多数。「文藝春秋」、日本新聞協会「新聞研究」などに執筆歴あり。