われらアグリ応援団 第54回 「呉羽梨グミ」 産地にエールを

われらアグリ応援団 第54回 「呉羽梨グミ」 産地にエールを
○呉羽梨の季節が来ると「必ず買い求めている」という藤井裕久富山市長が、太鼓判を押した。
「これは確かに梨ですね。おいしい」
○食べているのはJA全農が5月に発売した「富山県産 呉羽梨グミ」。全農とやまの西井秀将本部長が、市長室を訪ねて発売を報告した際の一場面である。市長は満足そうにうなずきながら「これは止まらなくなる。晩酌のウイスキーなどにも合うのでは」と笑顔で食レポを続けた。
○「呉羽梨グミ」は、国内の産地を全農が応援する「ニッポンエール」ブランドの一つとして、うぶ声を上げた。JA直売所をはじめ、みやげ物店やスーパー、ネットでも販売する。呉羽丘陵一帯で栽培している主力品種「幸水」の果汁を使い、上品な甘さとさわやかな香りが特徴のグミに仕上がっている。開発プロジェクトは昨年から始まり、100キロ分の「幸水」から果汁をしぼって、40グラム入りのパックを2万個用意したという。
○ニッポンエールブランドには、先輩格の「入善ジャンボ西瓜グミ」がある。全国ご当地グミ総選挙で堂々の2位に輝いた実績があり、西井本部長は「(今度総選挙があれば)ワンツーフィニッシュしたい」と自信のほどをうかがわせた。ちなみに今年はグミ以外にも、「抹茶入り 富富富玄米茶」をニッポンエールブランドで販売している。
○こうした農産物の商品化には大きな狙いがある。
○たとえば250戸の農家が生産する呉羽梨の場合、まぎれもなく富山を代表する特産の一つではあるが、消費者の目にとまる時期が、どうしても夏から秋にかけてのシーズンに限られる。グミに加工すれば、果実の魅力を旬に限らず、通年で伝えることができるというわけである。小さめの玉を中心に商品化しているので、食品ロス対策にも貢献している。
○関係者にとって「うれしい想定外」もあった。
○今年に入り、アメリカの有力新聞ニューヨーク・タイムズが「2025年に行くべき世界の旅行先」の一つに富山市を挙げたことである。国内外の人たちに呉羽梨をPRする「新たな商品」と「チャンス」を、同時に手に入れたことになる。呉羽梨だけでなく、入善ジャンボ西瓜など県産の農産物全体にとっても朗報といえよう。
○どんどんグミを買って、産地を応援したい。
日本農業新聞富山通信部ライター 本田光信
▲グミをPRする藤井市長ら
▲グミを口入れ、笑みをこぼす藤井市長
▲発売した「呉羽梨グミ」